たぶん必要なものを買う

 三連休の二日目。

 毎度ながら予定が無かったので、もうなんでも来いよと余裕を見せていたが、何も来ることもなく只々ゴロゴロした。

 昼前、買い物に行こうと彼氏を誘ったが、めんどくさいという理由で断られた。しかたないので一人でノソノソ出かけることにした。

 ドン・キホーテ、ドラッグストア、ユニクロ、本屋、テイクアウトの弁当屋。数百メートル圏内にいろんなお店があって凄い。そして、行く店、行く店でそれほど必要では無いものを買ってしまう。本当に必要だったのは、僕と彼氏の昼食なのだが、本を八冊と毛布とルームパンツを買ってしまったので大荷物。そのせいで帰りに買った昼食のオムそばが袋の中にこぼれてしまって、なんてことだ。

 そして時間はもう二時。さすがに腹が減った。脳内で孤独のグルメの井之頭のセリフが聴こえる。僕の腹が減っているということは、留守番をしている彼氏の腹も減っているに違いない。早く帰りたいが、予定外の荷物と、袋の中にこぼれたオムそばの被害を最小限にするために帰路に時間がかかってしまった。

 

 遅くなってごめんごめん。腹はすきましたかな? 全然大丈夫。

 

 腹が減ったくらいで機嫌を損ねないのが、僕の彼氏の素敵なところ。ちなみに僕は腹がすいたらけっこう機嫌が悪くなる。前世は民衆に嫌われていた貴族で、その貴族の嫌な部分だけが今生に残ってしまったようだと言われたことがある。貴族に対してとても失礼なので謝罪していただきたい。

 こぼれたオムそばを殺菌の目的で長めにレンチンしたら、オムの部分がフガフガになったが、これはこれでうまい。オムそばとその他いろいろを食べおわり、ユニクロのアプリがログインできなかったので、再設定しようとしたら、10年住んでいる自宅の郵便番号を覚えていないことに戦慄が走った。

 郵便番号って郵便局でどう活用されているのだろうか。そしてユニクロのアプリこそ、どう活用されているんだろうか。ユニクロから郵便が来ることがあるのだろうか。ユニクロ以外にも、個人情報で郵便番号を求められることがあるが、「あんた僕に手紙やハガキ書かんでしょ」というようなところでも郵便番号を求めてくる。あれはなんだ。惰性ならやめていただきたい。

 

 『女神の見えざる手』をプライムビデオでみたが、やっぱり最後の方は寝てしまった。映画を最後まで見せないという、前世での民衆の呪いがかかっているに違いないので、ほんとやめていただきたい。