においが気になる

 そろそろ実家に帰る準備を本気でしなければならないが、いかんせん、とてもとても帰りたくないので、だらだらと先延ばしにしていたら、もう今年も2ヶ月無いことに気がついて焦っている。

 部屋の片付けや、引っ越しの準備のことを考えると気が滅入る。気滅のヤバイであるが、とりあえず動かなくていけないので引っ越しの見積もりを取るために、業者に連絡したら、2社は地域外のため断られ、3社が見積もりに来てくれる事になった。

 

 まずS社。物腰柔らかなジェントルメン。すぐに即決させようとする。その場で見積もり提示。滞在時間1時間。新米1キロもらう。臭い飯を食っていたのでありがたい。

 

 次にA社。おにぎり感が強いモンスターエンジン大林。かわいい。希望を伝えて後日見積もり。無料ダンボールが少ない。マスクの中につけると呼吸がしやすくなる器具をもらう。いらない。

 

 最後にH社。関西色が強いおじさん。その場で見積もり提示。滞在時間40分。いろんなクーポンの詰め合わせをもらう。スマホ修理とスーパー銭湯のクーポンは嬉しい。あとはゴミ。

 

 金額は、H社<A社<S社。日程的にはA社が良かったが、最終的に金額を優先してH社に決めた。相場よりかなり安くなったと思う。

 それにしても、自宅に人を呼んだのなんて何年ぶりだろうか。昔は掲示板とかアプリで知り合ったゲイの人を連れ込んだりしたこともあったが、付き合い始めてからそういうのも無くなったので緊張した。

 

 在宅勤務だったので家で仕事をしていると、隣の部屋からカンカンと音がした。怪現象かなとワクワクしながら部屋のドアを開けたが異常なし。どうやらベランダから音がしているらしい。カーテンの隙間からそっと覗くと、ベランダの手すりにカラスが2羽止まって、ピョンピョン跳ねていた。かわいかったのでしばらく眺めた。近くで見てもカラスは真っ黒だった。目がとても可愛い。パンダの目とは大違い。

 

 夕食にナンプラーを使って、ナンプラーの匂いを嗅いでいたら、ワイシャツに大きな雫が飛び散って、絨毯にも小さな雫がこぼれて「イヤー」と潜在意識のおばさんが目覚めた。

 もったいないがワイシャツ1枚だけ洗濯。絨毯はアルコールやいろんな薬剤で拭いたが、這いつくばって匂いを嗅いだら、繊維の奥に名残っていたので呆然とした。

 引越し前にまずはナンプラー問題を解決しなければならなくなった。なんてことだ。