昨日寝る前に、あれ?風邪かな?お米捨てたバチが早速当たったのかな?と思って早めに寝たのが良かったのか、朝はスクッと起きられた。一応体温を計ってみたら平熱だったので、すこし残念だが会社へ行く。


 通勤途中の交差点に最近毎日警察官が、違反切符片手に獲物を待ち構えているが、今日立っていた人は思いっきり赤信号で走っていった車を無視していた。

 あなたの存在意義よ!とすれ違いざま心で叫んでおいたが、自転車を漕いでいると、その言葉がどんどんブーメランのように自分の心に刺さったので、他人を糾弾するのは自分には向いていないなと思った。そしてただ大きな権力に、イライラした気持ちを八つ当たりしただけなのだと気がついて、また悶々とした。


 会社に着いたら、最近入った新人の男の子が話しかけてくれた。業務連絡だけだがとても可愛くて、イライラが吹き飛んた。

 今日は電話もなかったので、朝のその会話が言葉を発した最後の会話となった。

 

 帰宅すると、アパートの自転車置き場に蟻の行列が出来ていた。こんな寒空の下どこから来て、どこに向かっているんだろうと後をつけたが、自転車置き場の明かりが届かないところで、行列の先を見失ってしまった。踏んずけてしまったら可哀想なので、それ以上捜索するのはやめた。

 小さい頃に田舎で見た蟻はもっと大きかったけど、あの蟻とは別の種類だろうか。

 久しぶりに蟻見た。と彼氏に報告したら、下ばかり見てるからだと言われて、ああそうか。蟻は下を見ないと発見できないんだ。と気付かされた。

 蝉や蝶や蚊は自分の存在を主張するけど、蟻はこちらから意識しないと見つけることができない。もしかしたら今までも黙って自分の足元を這っていた事があるかもしれないのに。

 

 たまには下を見よう、と蟻が教えてくれた。