歩いて会社へ行く

 月曜日である。そして雨が降っている。カーペンターズの「Rainy Days and Mondays」がどこかで聞こえた気がした。

 自転車通勤なので、会社へ向かう数十分の間だけでも止んでほしいと願ったが、そんな思いは届かず雨は降り続いていた。そもそも誰に願うのだろうかと想像してみたら、雷様の格好をした、いかりや長介仲本工事高木ブーが頭に浮かんだので、自分で「だめだこりゃ」と突っ込んだ。


 仕方ないので歩くことにした。

 イチョウの葉っぱがほんのりと黄色くなっていた。足元にはギンナンの実が独特の匂いを放って散乱している。目線を上げるとイチョウ並木が緑と黄色のグラデーションを作っていた。こういう光景を見るとやっぱり季節は少しずつ変わってるんだなと思う。今は秋のどのあたりだろうか。

 季節の移ろいに心を奪われていたら、危うく遅刻するところだった。月曜日の朝は全体朝礼がある。先月から休職している社員が、今年いっぱい休職すると報告があった。元気そうだったのに心配だ。

 午前中は低空飛行で仕事をした。手が冷たくてキーボードが打ちにくい。そろそろ暖房を付けたほうがいいのかもしれないが、自分から暖房付けましょうとは言い出せない。指先だけ出た手袋を買おうかと真剣に考えた。

 昼はコンビニでチルド麺を買って食べた。もう何度も食べているのに、毎回うまいうまい。

 午後も特に変わったこともなく、墜落寸前の低空飛行で仕事を終えた。


 明日が休みなので今日も彼氏の家に泊まる。彼氏の家から出勤して彼氏の家に帰る。なんだかとっても幸せな気分だ。